お世話になっております。
 タヌキです。

 今回は『不動産投資関係』について書かせていただきます。
 ラットレースから脱出するためによく引き合いに出されるのは、ネットワークビジネスと不動産投資です。

ラットレース001


 不動産投資会社の中には、【頭金ゼロでの資産投資】として、銀行からの全額融資(フルローン)
での投資入門を勧めてくる会社があるそうです。
 過去マイホーム購入は、「最低でも物件価格の3割は自己資金で用意」などと言われていた時代もありました。
 マイホーム購入にあたっては、不動産会社への購入手数料、登記手数料、不動産取得税など諸経費の支払いは住宅ローンの融資対象外とされ、最低限その費用だけでも現金を用意しなくてはならなかったからです。
 そのうえで、35年ローンなどを組み、ローン返済という鎖につながれ延々働き続けることになります。
投資010

 『不動産投資』に使われる融資の種類は『投資者個人を保証人とした事業融資』に該当するため、住宅ローンなどと異なり、税的優遇などが適用されないところが多いです。
 不動産投資ローンの返済は、住宅ローンの比ではないほどの頑丈な鎖に、長い期間縛られてしまうことになります。
 このような状況で、本来頭金として自分で用意することが常識である、諸経費さえも融資額に含めた『フルローン融資』で『不動産投資事業』を始めようとする方、『フルローン融資』で2つめ、3つめと物件を増やし(表面上の)資産額を増やしていこうと検討している方に、この記事を捧げます。



【少ない頭金で不動産投資はしてはいけない】


 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズが経営破たんした問題は、同社が融資する金融機関に提出した審査書類などに改ざんが発覚、物件を所有するオーナー支援の被害弁護団は、刑事告発しています。

「かぼちゃの馬車」は、オーナーに不動産を仲介、建設費用込みで銀行ローンを組ませ、シェアハウスを建設したあと、運営会社のスマートデイズが一括で借り上げ、家賃を長期保証するサブリース事業を展開していました。
 投資利回りは8%前後と高く、平均で1億円といわれるローンを組み、3%台後半の利息を払っても、十分に利益が出るとして、かなりの人が高額融資を受け投資に参加したようです。
 事件発覚の直前まで、「頭金0円から投資できる」とフルローンでの集客を続け、集めた新規出資金の一部を既出資者への家賃保証に廻すなど自転車操業的な経営状態だったようです。

 ここまでは投資詐欺としてはよくある話ですが、今回の事件で異様な点は、偽造・変造の書類提出を受けて融資してしまった『本来は被害者』であるはずの金融機関が、融資審査書類の変造に主導的な役割を果していたと言われている点です。

 スルガ銀行のシェアハウス関連の不正融資を調査している第三者委員会が公表した報告書によると、相当数の社員が融資審査などの書類改ざんや偽造に関与。
 不正は投資用不動産ローン全般にまん延し、当時の専務執行役員1人が直接関与していたと指摘されました。
 委員長の中村直人弁護士は沼津市内での記者会見で「組織的な問題と認定している」と語りました。
 
 第三者委員会は、不正を見過ごしていた経営陣の善管注意義務違反を認定。
 創業家出身の岡野光喜会長や米山明広社長ら役員5人は同日付で引責辞任を発表しました。
 新社長には有国三知男取締役が昇格、立ち入り検査中の金融庁は、企業統治が機能不全に陥っていたとみて厳しい行政処分を出す方針です。
 報告書では、2014年以降で改ざんの疑いがある書類が少なくとも795件あったと認定、首都圏の支店を中心に、借り手に一定の自己資金があるように装ったり、年収を水増ししたりするなどの手口が横行していたそうです。
 調査対象となった行員の9割弱が不正に関わっており、多くが黙認し、一部は積極的に関与していたようです。
 不正の背景としては、過度な業績目標を達成するためのプレッシャーに加え、審査部門の独立性の欠如などを挙げていますが、その後暴力も含めたパワハラ構造のブラック企業さも報道され世間から見る銀行のイメージが大きく変わった事件でした。
 第三者委員会は16年7月まで副社長を務めた創業家の故岡野喜之助氏が実質的な最高意思決定者で、営業を過度に重視し、法令順守を軽視する企業風土を招いた「主たる責任者」と認定したそうですが、故岡野氏の次の代になってもブラック企業状態が改善されず、さらに悪化の一途をたどっていることからも一概に死んだ人の責任にして幕を引くべきではないと思います。


「フルローンOKの審査が通った」と言われても、しっかり計算を


 不動産投資会社を通して(提携)銀行から融資を引き出して投資しようとすると、自分の実力(返済能力)を超えた融資が通ってしまうことが多々あります。
 いざ返済というときに物件収入が計算どおりに入ってこないというリスクは、『余裕を持った融資』で投資していても発生するものです。
 返済額に余裕があれば、不測の事態が少々発生した程度なら節約を心がけて返済額の自己負担を増やすなど何とかできることもありますが、フルローンで余裕なしの返済計画を組んでしまっていれば努力しても追いつかず即退場につながります。
 ほとんどの物件では、ローン返済完了までの長期にわたって当初計画通りの投資利回りを維持できません。家賃保証に関する契約条項も更新条件をよく確認しておく必要があります。
 「不動産経営で資産増加」どころか「経営破綻」にならないようご注意ください。

 『後悔(というか破綻)』しないように、細心の注意をもって検討してください。
 『提携銀行』の審査でさえ上述の通りの有り様です。
   『不動産投資会社提携のFPさん』に意見を求めれば、きっと『投資に不安を持つあなた』の背中を押してくれることでしょう。


あなたは投資ローンを返済できますか?
セカンドオピニオンFPに相談の勧め


     自分自身の人生における大きな投資(賭け)に臨む前に、『セカンドオピニオンFP』と相談して不動産投資会社とは繋がりがない第三者による意見を聞くことをお勧めします
    その際には、不動産投資会社から提示されているはずと思いますが「契約約款や返済計画案」、ご自分の「本業の収入や将来の見込み、家計支出計画」などの情報をまとめておく必要があります。
 ご自分の状況を知らないままYESマン達の意見を鵜呑みにして、不動産投資会社から急かされるままに契約してしまう行為は、将来バッドエンドにつながる可能性大です。
 
 他のFPなどに相談する場合は当然ながら有料相談になりますが、あなたはこれから数千万円、数億円の資産投資(借金)をしようとしているのです。ここで数万円の相談料を惜しむことは得策とは言えません。(無料で相談に乗ってくれる『不動産投資会社提携のFPさん』の料金はどこから払われているか…想像できますよね)
 相談する相手はFPに限りませんが、重要なことは、『ご自分の現在の状況と未来の見込みを把握したうえで、不動産投資会社と契約を結ぶ前に利害関係のない第三者の意見を聞く』ことです。
 自分の返済能力を知らずにラットレースから抜け出そうと必死にもがいている方は、要注意ですよ。
 

借金001


※投資は自己責任で無理のない範囲で行いましょう
 タヌキは不動産投資自体を否定する考えはありません。
 誤解の無いようにお願いします。 
 

 ではタヌキは巣穴に戻ります。
をクリックして応援いただければ幸いです
PVアクセスランキング にほんブログ村