タヌキです。
前回は『無配当株式と無分配型投資信託』の比較をしてみました。
今回は分配金型投資信託について考えてみたいと思います。
分配型投資信託は、定期的に指定口座に分配金が振り込まれるものです。
●投資信託の分配金とは
投資信託を購入した投資家は、一般的にその投資信託の決算日後に分配金を受け取ることができる可能性があります。
投資信託の分配金は、基準価額に含まれる繰越利益やインカムゲイン(利子、配当)、キャピタルゲイン(値上がり益)などが原資となるため、分配金を支払うと基準価額が下がります(新聞で特に安い基準価格になっている投資信託は、下に書きました『特別分配金』を支払っている結果によるところが多いです)。
分配方針は投資信託ごとに異なり、年に1回分配金を支払うもの(1年決算型)や毎月分配金を支払うもの(毎月決算型)もあります。
●投資信託の分配金の種類と仕組み
分配金には投資信託の運用上で得られた売却益や配当金などを顧客に分配する「普通分配金」と、投資信託を運用する上での資金である元本から分配する「特別分配金(元本払戻金)」があります。
投資信託の分配金はどのような仕組みで顧客に支払われるのでしょうか。ここでは、普通分配金と特別分配金とそれぞれ分配金が支払われる仕組みについて詳しく解説します。
・普通分配金
普通分配金は、投資信託が運用で得た配当金や利息、売却益などから支払われています。
分配金の支払いは基本的に設定されている日に行われますが、それまでは分配金可能原資として投資信託の資産になっています。
そのため、分配金を顧客に支払った時点で、投資信託の純資産総額が減少することになり、結果基準価額も下がることになります。
また分配金は課税対象になります。
・特別分配金(←注意:タコ足配当と言われるものです)
特別分配金は、運用で得られた売却益や配当金ではなく、投資するための運用資金である元本から支払われるものです。収益ではなく、元本を切り崩して顧客に分配しているといったイメージが合うでしょう(ちなみに不動産投資の家賃保証も支払い済みの不動産購入額を切り崩しています)。
毎月一定金額の分配金を支払う投資信託がありますが、運用で得た収益が毎月支払うべき分配金に達していなかった場合、元本を一部切り崩して顧客に分配金を支払っています。
そのため、普通分配金と特別分配金の2つが支払われる場合も多く、その場合、普通分配金のみが課税対象となります(特別分配金は利益ではなく、元本扱いなので課税対象外)。
収益だけではなく、元本を一部切り崩していることになるため、投資信託の基準価額は下がる(元本割れする)ことになります。
また、毎月継続的に元本を切り崩して分配していると、時間が経過することに、基準価額が加速度的に下がっていきます。
タヌキが思うには、『分配型投資信託を購入する場合は、分配金の種類に注意が必要』だと思います。
資産形成には不向きと思われる配金型の投資信託ですが、あえて購入するメリットがあるとすれば、給料をもらうことに慣れてしまい『毎月口座に一定額が振り込まれるほうが安心する』という方に向いているのではないか?と思います。
ただし結果的には、元本割れのリスクが大きいと覚悟しておいた方がいいです。
いずれにしても、手数料の少ない商品を選んでくださいね。
※投資は自己責任、余裕のある範囲でやりましょう
【タコ足配当とは】
利益が出ていないのに何らかの手段、例えば資本・元本の取り崩し、資産の売却などによって原資を確保して配当を出すことです。「エサがないときタコは自分の足を食べる」という話からこう呼ばれます。
それではまた、お会いしましょう。
では失礼して、タヌキは巣穴に潜らせていただきます(ごそごそ)
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