F.I.R.E.を最終目標として投資している人が増えているようです。

かつては、『利子生活者』

ちょっと前までは、『不労所得生活者』

今では『F.I.R.E.』とだんだんカッコイイ呼び名に遷り変わってきていますね。

 

 名前は変わっても、基本は大昔からの『利子生活者』への道程と同じです。

 

 前回に引き続き『配当生活者』を夢見て東京電力への集中投資を行い、『東日本震災』で夢破れてしまったタヌキが『F.I.R.E.』について解説します(過去記事をご参笑ください)。

 前回記事から期間があいたので、前回記事から通してお読みいただけると幸いです。




【過去記事の復習】F.I.R.E.とは?


早期にサラリーマンを「卒業」する、いわゆる『早期リタイア生活者』はアベノミクスやトランプ相場などの上昇相場にのって少なからず誕生していました。

しかしそのイメージは、億を超えるようなかなり巨額の資産を手にしてからの引退といった感じではないでしょうか。

投資に成功して資産ウン億円をGET!!

あとはそれを食いつぶしながら、シンガポールとかに移住して左団扇な生活(笑)

 

FIREも、リタイア後、主に投資などの資産運用によって生活していくことはこれまでの早期リタイア生活者と同じ。

これまでと異なるのは、比較的少ない資産でリタイアに踏み切るという点。

 

FIRE発祥の地とも言える米国では、FIRE開始時の資産額を「年間支出の25倍」とすることが指標になっているという。これは「今の年収の25倍」ではなく、ギリギリ生活できるレベルに節約しての「年間支出の25倍」というのが、『F.I.R.E.』の基準となっており4%ルール」と呼ばれています

生活費が投資元本の4%以内ならば、適切に資産運用を行えば資産を減らさずに生活できるという考え方です

 

このルールに則れば、生活費さえ極限まで切り詰めれば、数千万円といった比較的、現実的な投資運用額の段階でリタイアできる。働きながら貯金をする段階でも節約は必要なため、その後も節約生活を続ければよい・・・極貧生活レベルで設定すれば早く目標到達は出来ますが、その後のリタイア生活が楽しいものなのかは疑問ですが・・・

 

おまけに、米国と日本ではインフレ率や市場成長、配当金にかかる税率が異なるため、同じ指標が成り立つわけではないです。

FIRE本を読んでそのまま再現しようという人には、ご注意いただきたいところです

F.I.R.E.に向いている人とは?5つの要素


 今回からは、『向いている人要素として5つ』挙げてみます

 

向いていない人要素として5つ挙げてみます

① 「大金持ちにならなくてもいいから、最速で自由な時間が欲しい」という人

②  経済的面で「長生きリスクへの不安」が強い人

③ 「資産の目減り」に耐えられない人

④ 「定期的に収入がある生活(給与所得など)」に慣れている人

⑤ 子孫の行く末が心配・・・「資産をうまくバトンタッチ」したい人

 

順に説明していきます。


 ① 「大金持ちにならなくてもいいから、最速で自由な時間が欲しい」という人


 
解説:F.I.R.E.生活者(以下、FIREさんと呼称)を目標とする投資方法では大金持にはなれません。

 前記事の「向いていない人」にも書きましたが、FIREを目指す高配当株などは事業投資に回すお金を配当金に回している傾向が強く、キャピタルゲインを望める『5倍、10倍に化ける投資』にはならない傾向があります。

 FIREさんが目指すところは、

1. 生活に必要な最低金額を把握

2. 1.で把握された金額を資産運用益(4%ルール)のなかで継続的に生み出していくために必要な、資産運用額を目標に設定して運用資産を増やしていく

3. 2.で設定した資産運用種銭の目標額を達成したら、運用益だけで生活していく

 といった感じで(過去のデータから見込まれる)4%という投資利回りを、長期に安定して得られるところに投資することを目標としており、成長より安定を重視すべき投資スタイルになります。

 『F.I.R.E.生活』が従来からの『配当生活』と異なる点は、リタイア後の収入を大きく期待しない代わりに運用資産準備額を少額設定可能だということです。

 そのため、以前は1億円以上必要と言われたりしていた、運用資産が6000万円程度(年間240万円の配当所得・・・)と「『億利人』でなくてもリタイア出来るんだ」と早期リタイアを目指している人たちには光明が差してきているようです。

 当然のことながら、「240万円(月20万円)で暮らしていけるのか・・・」という所は、出費を見直し配当所得内での生活が可能か十分検討する必要がありますし、出費が収入を超えるような場合はF.I.R.E.生活の恩恵である『有り余る時間』を切り売りして、補填することも念頭に置かなくてはならないでしょう。

 『F.I.R.E.生活』を『お金のかからない生活』とセットで手に入れることができれば、貴方は本当の幸せを掴めるのかもしれませんね。


② 経済的面で「長生きリスクへの不安」が強い人


解説:『人生
100年っ!!』と言われて久しい今日この頃・・・

『高齢社会白書(平成24年度版)』によると、65歳以上の高齢人口と15~64歳の生産年齢人口の比率は、1960年には1人の高齢人口に対して生産年齢人口は、11.2人でた。一方、2010年には高齢者1人に対して現役世代2.8人と高齢者を支える現役世代人数は1/4に激減、少子化問題に歯止めをかける有効策がない中ではさらに現役世代の比率は減少していくことは間違いありません

平均寿命は、2010年において、男性79.64歳、女性86.39歳ですが、将来医療が癌を克服してしまえば、平均寿命は爆発的な伸びを見せることでしょう

(日本人の死因2019では、癌27.3%、心疾患15.0%、老衰8.8%、脳血管疾患7.7%だそうです。脳血管疾患が老衰より順位が下回ったのは、脳梗塞・脳内出血などへの医療対応が飛躍的に進歩したから・・・医療が進歩すると老衰の順位が上がっていくことでしょう・・・)

そこで問題となるのが、生存中に資金が不足する「長生きリスク」と言われています。

今や個人年金や投資への勧誘の殺し文句として定着した、「老後30年で、老後資金2000万円が不足します」という金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告も当時は政治の力で握りつぶされていましたが、決して国民を惑わす流言飛語ではありません。その証拠に『2000万円 不足』とグーグル検索をかけるだけで、当時の記事が大量にヒットしてしまいます。まさに口から出た言葉は引っ込められない・・・を地でいった話です。

この話が、投資のみならず『怪しい商法』や『詐欺』への誘い文句の定番となっているのも、多くの人が「長生きリスクへの不安」を持っていることの表れといえます。

③ 「資産の目減り」に耐えられない人


解説:②の長生きリスクにもありますが、医療の進歩はこれからも私たちの寿命を延ばしてくれることでしょう。

 通常の老後のお金の常識としては、(もらえる限りの)年金を主軸にして、不足する分のお金は『現役時代のうちに老後資金として蓄える』ものを取り崩していって死ぬまでに必要なお金を賄っていく・・・といった感じかもしれません。

 『老後30年で2000万円不足・・・』という

現役のうちに貯めた『資産の運用益』で、お金が一生賄えれば・・・元金に手をつけないで生きていければ、どんなに長生きしても怖くありません。

『運用益でお金を一生賄うようになる』ことが出来たら、別に老後を待たなくたっていいのです。それがFIREさんと呼ばれる人種なのです。

たとえば、株式・債券の配当収入、不動産投資の家賃収入などです。

これらは、定期的な収入を得た後も資産の目減りが生じないのが魅力です。

何歳まで長生きしてしまうかわからない現在から未来に生きる私たちは、『目減りしにくい資産作り』を心がける必要があるわけです。

株式を事例としてお話ししますが、GAFAを代表とするキャピタルゲイン株は、その時々の時価によって資産価値が大きく変動します。これらの会社は上場以来右肩上がりを続けており、この流れに乗って「億利人」になった人も多いと言われています。ただ、無配当または低配当の場合も多くリタイア生活の資金を確保するためにはこれらの株式を売却して現金化しなくてはなりません。これらの株は市場の変動によって大きく変動するため、資産残高を確認するたびに一喜一憂を繰り返すことになります。

また市場は生き物です。リタイア後の長い人生のうちには、時に調整局面、さらには暴落などで資産残高半減など悪環境に直面する時期に遭遇ことは確実といえます。

そんななかでも生活のためには資産を売却し、食いつぶさなくてはならないわけです。資産の目減りに耐えられない人には、かなりのストレスがかかることでしょう。

たとえば1億円の金融資産を用意して、1億5千万円まで資産価値が上昇、年間300万円ずつ売却していっても50年は大丈夫という計算を基に40歳でリタイアしたものの、暴落に巻き込まれて時価資産は半減、その後の市場は戻りが悪く10年以上低迷したまま・・・ということも実際におこるのです(日本市場で言うところの「失われた20年バブル崩壊後の1990年代初頭から2010年代初頭までの20年間)」と言った実例があるのですから・・・

伊丹十三監督作品『マルサの女(1987年公開)』にある山崎努のシーンに、コップの水に例えてお金を貯める方法を説明するシーンがあります。

「コップに水を貯めて、半分くらい溜まった時にのどが渇いたからといって飲んでしまうと貯まらない。コップがいっぱいになって縁から溢れそうになっても、それでも我慢する。そして縁からあふれて垂れてきたしずくを舐めて喉の乾きを癒す。そうすればお金は溜まる」という話でした。

コップの水
名優 山崎努さん・・・
『マルサの女』での怪演技で有名なシーン

タヌキは「必殺仕事人の念仏の鉄」も好きです


コップの縁から溢れて垂れてきたしずくだけで生活が賄えれば、貴方も立派なFIREさんです(拍手)。

お金持ちへのステップは、このコップのサイズがやがてバケツとなり浴槽となりプールとなる・・・水を貯めて溢れる容器が大きくなっていくということに尽きるわけです。

大きな容器を満たすだけの器量があれば、溢れてくるしずくを集めたら満足できる生活を支えてくれる量になることでしょう。

資産の目減りするかもしれない恐怖心から解放されて本当に悠々と暮らせるかもしれませんね(定期的に資産のチェックは必要であることは言うまでもありません)。

最初のコップを溢れさせるのが、非常に難しいわけですが・・・

 

以上①~⑤のうち①~③までになります。

残りの④⑤・・・ですが、⑤がなかなか表現に困るところもございまして・・・(「表現に困るお題を立てるなっ!」ですって?ごもっともでございます・・・が、タヌキにとってはこの⑤が肝な訳でして、多分①から④は広く知られすぎている内容なのかなと考えておりまして、この⑤を書きたいが為に『FIREさんをお題にしよう』と思ったわけです。)

 ①から⑤まで書き上げたのはいいのですが、⑤は言葉を練り直そうと思います。

今回は文章量にして約半分にあたる、①~③を上げさせていただきます。

残りは文章の整理がつき次第・・・ということで。

   次回は、1週間以内を目標にメリット④⑤を挙げますのでお待ちください(自分を追い込んでしまった・・・)。


※投資判断は自己判断自己責任です。

 ではタヌキは巣穴に戻ります。
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