ネット取引の普及もあり、個人投資家が投資に参入するためのハードルが大変低くなりました。

 

 しかし皮肉なことに、現在の株式市場では『機関投資家・ヘッジファンド』はネット取引を使った『超高速取引』や『アルゴリズム取引』により圧倒的なアドバンテージを持っています。

 目にもとまらぬ速さで動く見せ板や、個人投資家たちによる手動での注文に瞬時に反応してくるステルス注文…『速さでは勝負にならない個人投資家』はこれらにどう対応すべきでしょうか?

アルゴリズム取引とは?


 アルゴリズム、高速取引システムといった用語が闊歩する証券市場

 現在では、機関投資家向けに開発された超高速取引を前提とした手法が株価形成に大きな影響を及ぼしています。

 本来、誰もが参加でき公平性が担保されている資本市場ですが、実際にアルゴリズム、高速取引システム』を利用できる投資家と出来ない投資家の間には、株価形成への影響力に決定的な差があります。

 

 機関投資家・ヘッジファンドの場合、一度に大量に発注するので株価形成に大きな影響を与えがちです。

 アルゴリズム等は本来、大きな注文を小刻みにすることにより、マーケットインパクトと言われる株価への影響度を避ける(自分の発注した売買で株価が変動するのを避ける目的の)ために開発された取引方法だったはずなのですが


 現在の運用は、1/1000秒レベルの高速化が可能になったことにより、新たな使い方があれこれと登場しているようです。

 ステルス注文、見せ板注文等が代表例ですが、現在はそのスピードを積極的に利用することにより機関投資家の発注時におけるアドバンテージを最大限に利用する使われ方がより強くなっています。

 

 アルゴリズム取引と言っても人間がプログラムしたものですし、AIが考えるのは『「こういうイベント(ハプニング)があったら人間はこうするだろう」という過去の株価変動の記録』に基づいて売買を判断して高速で取引しているわけです。

 

 それぞれのAIは、『過去のニュース・イベントなどから人間がどのように判断して売買していたか』を統計して『同じ現象が起こった場合はどのように株価が動くか予測する』ように創られています。
 このためAIは「ほぼ同じ内容を学習」し、「似た判断をするように学習していく」ので、イベントやハプニングがあったときに一斉に一方向に動き出す力がとても強くなる』わけです。

 

 例えば、アメリカ大統領選挙で『トランプ大統領が誕生した日』も当日は大暴落して、次の日には逆にプラスになりました。

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AIと戦わなくてはならない個人投資家達


 個人投資家の中にはこの動きを察知して、上手く利用しようとする人も現れているようです。
 これは市場にべったり張り付いていないとできない取引でもあります(専業投資家と言われる人たちですね)。

とはいえ、毎日の市場の動きの中で、常にAIを出し抜いて儲けを出し続けることは大変難しいことです。

 素人が振るバットでも大リーグ投手の投球をホームランできることは可能性としてはありますが、投げられている全ての球を打ち続けることはできないでしょう。

 しかし、このまぐれのホームランを打って大金持ちになった人たちが広く知られることで「投資って簡単じゃね?」的な勘違いを起こす人たちが発生、次々に投資デビューしていきました。
 一時期「オラ、サラリーマンを辞めてデイトレーダーになるっ!!」と専業投資家の世界に飛び込んだ人達も多く見られました
(毎日会社に行きたくねぇ・・・などという軽いノリでデビューしちゃう人も結構いますよね・・・)
 投資法人を立ち上げてみたり、色々な投資に手広く手を出していたり・・・

証券取引
専業投資家を志す若者たち・・・がんばれ  ^^) _旦~~

 平均株価が上昇しているときはイケイケだったですが・・・コロナ禍で近将来の経済成長の悪化予想から始まった株価の低下を受けてなのか、最近そんな方々のブログって最近更新されていないものが多いですね・・・?(タヌキは単に筆不精・・・)

 しかし、すべての投資家がこのような短期取引に参加しているわけではありません。

 

 個人の現物投資家には、長期保有を目的に企業の成長が株価に反映されることをじっくりと期待するといった投資姿勢を堅持している人も多くいるのです。

ヘッジファンドの宿命…最大の弱点は『時間制限!』


 ヘッジファンドの運用内容は見えない(隠された)部分が多く、公表されている資料からその全貌を理解することは不可能です。

 しかし、ほぼ決定的にいえることは、「運用期間が原則1年」と極めて短く設定されていることがあります。

 

 膨大な運用資金が結構せっかちに市場を動き回っていると表現できます。
 原油が下がれば石油マネーが活発に動き回ったり、対コロナ経済対策を各国でぶち上げそうという噂が流れると経済指標予測に関わらず株を買い漁り、直後に指標が予想以上に悪いといいながら売りに走ったり・・・

 投資家がヘッジファンドを利用する価値は、短期の市場変動から利益を得ることから生み出されるものですから、ヘッジファンドは一時的に市場かく乱要因ともなり得る手法を積極的に使うことも躊躇しません。

 狭い範囲のボックス圏相場、膠着相場等はヘッジファンドにとって、最も歓迎せざる相場です。
 彼らは
ジェットコースターのように上下する相場が大好物で、時には自らそれを演出することもあり得るということです。

 何かが起きて欲しい、起きる事を想定し市場心理が大きく動揺、それが株価に大きく反映されればされるほど機関投資家・へッジファンドにとってはチャンスが広がることになります。

 このチャンスを生かし切れなければ、敗退を意味し『機関投資家は利益を損ない』、『ヘッジファンドは顧客から運用資金を引き上げられる』“宿命”を負っています。

 特に、ヘッジファンドにとっては死活問題となるわけです。

まとめ
アルゴリズム・高速取引の全盛時代に個人が取るべき戦略とは?


 本来、株価は企業業績を反映するものです。

 しかしながら、株式市場は企業業績以外の要素、マクロ経済、金利動向、国際政治等々あらゆるものを映しながら変動します。

 業績以外の要素により大きく振られることが日常的に生ずるのです。

 

 つまり株価の動きは短期的に予測不可能な要素が不規則に来るため、業績の動きを忠実に捉えようとする際、保有期間を前提とした投資はそれだけ制約要因を背負った投資となります。 

 投資家からお金を集めて運用している、機関投資家やヘッジファンドは返還義務のある資金で株式投資をしていますので、返還期限内に成果が上がらなければ、損切をしてでも株式を売却して返済をしなければなりません。

 

 機関投資家、とくにヘッジファンドは常に投資期間を前提とした銘柄選択する環境に置かれているのです。

 

 しかし個人投資家は株式保有期間について保有期間は何ら制約を持ちません(信用取引や借金で投資に手を出した場合は論外ですが!!)。

 つまり、『保有期間に自由度を持つ(はずの)個人投資家』は企業業績に最も接近する形で株価を評価できる立場にあります。

『下落したら買い増しできるぐらいの感覚』で中長期投資を行うことが、結果として成果に繋がる可能性が高いのです。

 大事なことなので、もう一度言います。

 個人投資家が『アルゴリズム・高速取引』を駆使する『機関投資家・ヘッジファンド』を出し抜いて短期勝負で勝利し続けることは不可能であると断言しておきます。
 
 『アクティブファンド』と『インデックスファンド』どちらがイイのか・・・このあたりは、各投資家の投資哲学に依るところが大きく、長年多くの人が討論していますが『どちらを選んでも正解です』という結論しか出ないものです。

 
アルゴリズム・高速取引全盛時代において個人投資家の武器は時間、戦略は長期投資を辞さない持久戦を選択できる自由さです。

 

『長期投資は個人現物投資家の最大の強み』であることを認識することが『投資の王道』、成功への近道でなのす。

 この武器と戦略を十分に発揮するために必要なことは

  • 時間制限を前提としたヘッジを掛けないこと
  • 最低限の生活を維持できる実弾(現金)は常に確保しておくこと
 最近のテレビはコロナ一色・・・毎日いろいろな店主へのインタビューが放送されない日はありません。
 特定警戒都道府県での『緊急事態宣言』の延長が決定して、さらに商店主たちの弱音が聞こえてきています。
 ヨーロッパやアメリカなど外出制限措置というさらに強力な対策をとった国々では各商店はどうだったんでしょうかね…

相場には本当に魔物が棲んでいます。

 楽観視せずに冷静に成り行きを見守りましょう。

※投資判断は自己判断自己責任です。

 ではタヌキは巣穴に戻ります。
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