4月20日、アメリカの原油先物は0ドルを割ってマイナス37.59ドルを記録。
コロナショックは原油先物の暴落を招いた
今年1月5日に64ドル72セントの高値を付けていたウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は、マイナス37.59ドルまで暴落しました。
半月も経たないうちにマイナス100ドル以上の大暴落(しかもマイナス)です。
これは史上初めての事態です。
原因は
- 新型コロナウイルス感染症によるロックダウン(都市封鎖)による需要不足
- 余った原油の貯蔵場所の不足
現状で5月渡しの原油は需要がなく、貯蔵するスペースもない・・・
数カ月前に発注され4月末にはペルシャ湾に到着する原油も、荷下ろしの場所を血眼になって探しているそうです。
たとえ需要が減少しても、商品の物理的輸送と貯蔵スペースの確保にはこれまでと変わらず、コストがかかります。
原油の売り手は、買い(引き受け)手にお金を払って買っ(引き受け)てもらわなければならない状況になりました。
コロナウィルスの影響で各国の経済や移動が止まってしまい、原油を消費してくれるお客さんが激減した結果、お金を払って処分してもらう=原油は廃棄物(ごみ)と同然の価値として扱われるようになってしまいました。
『マイナス価格』になっても採掘をやめない訳
普通ならば商品を生産する場合、価格が0ドルになってしまえば、生産者は普通、生産を止めます。
しかし、原油の場合は採掘施設・精製施設・流通施設を簡単に「スイッチオフ」には出来ません。
原油の生産設備は閉鎖するにも莫大なコストがかかるので、お金を払ってでも誰かに原油を引き取ってもらった方が、生産設備を閉鎖するよりは経済的なのです。
これは、火力発電所・製鉄炉・ごみ焼却炉などの設備が「いったん火を止めると、再稼働するまでに多大なコストと時間がかかる」というのに似ています。
これらの施設は、施設点検時以外は故障でもしない限り止めません。
オイルタンクをお持ちの方々にお願いっ!!
1バレルあたりマイナス37ドルということは、10,000バレル分の先物を買っておけば、将来、原油を受け取った時に37万ドルを手にすることになります。 ← タヌキの皮算用
とはいえ、素人がいきなり原油先物取引に乗り出しても大損して破滅するのが目にみえていますけれど・・・
ちなみに、ネット証券でも原油先物ファンドは取り扱ってはいますが、タヌキは怖くて手が出ません。
言えることは、「一気に価格崩壊したなぁ」ということと「出来高も跳ね上がったなぁ」という程度でしょうか・・・
たった4か月の間に、60ドル付近から13ドルまで急降下しています↓↓
下の図を見ていただければお分かりかと思いますが、金融商品としてはマイナス価格にはなっていません。
マイナス37ドルになっていれば、タヌキは間違いなく買っていたかも(笑)
常日頃、価格操作されている石油を輸入するしかなかった日本の政府・商社の皆さんっ!!
価格操作不能に陥っている今がチャンスですっ!!
タンクに余裕のある限り買いましょう(戦略物資の備蓄ですっ!!)
・・・っていうか、備蓄できる方は買ってあげてください(切実)、需要が見込めないと判断されているからこの価格ですから、長期保有出来る方のみですね。
※投資判断は自己判断自己責任です(特に先物は・・・ゴニョゴニョ)。
ではタヌキは巣穴(仮)に戻ります。
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