世界の株式市場は、
- アメリカFRBのハト派方針への転換
- 米中貿易交渉の進展期待
を大義名分として、2月下旬から一気に上昇したのですが、3月になると、アメリカだけにとどまらず世界中から、経済減速を見込んだ指数が続々と発表され、市場の雰囲気はこれまでのリスクオンムードから、リスクオフに一変、先週の株価大幅下落を招いてしまいました。
3月の株価下落の要因はトランプ外交への信用失墜にある
各国・各団体の経済見通しの悪化要因としては、『米中貿易戦争の影響』が筆頭要因として挙げられています。
何故3月になって、一気に市場の流れが逆転したかというと2月28日に、トランプ大統領の一存で?、『米朝首脳会談』を「これまで事務方が積み上げた積み木」を崩すように完全に決裂させ、「核交渉に何らかの進展はあるのだろう」と考え、経済制裁緩和による朝鮮半島関連のお金の動きまで想像していた世間の度肝を抜きました。
(当事者の(60時間も電車に揺られて首脳会談にやって来た)金正恩氏はもちろんですが、いちばん、ダメージを受けたのは「制裁緩和を取り付けて、朝韓の経済交流再開を皮算用」していた文在寅韓国大統領だと言われています…)
日本にとっては、「拉致問題」も重要ですし、「中短距離ミサイルを容認したまま、トランプ大統領の『ノーベル平和賞欲しいパフォーマンス』のために『北朝鮮への制裁解除などを、たやすく受け入れてしまう危険』を回避できた」わけですから、日本の安全保障の点から考えれば歓迎できる決裂でした。
かくいうタヌキも『トランプ大統領を初めて褒める記事を書いてしまった←過去記事リンク』くらいです。
「朝鮮戦争の終結宣言を引っ提げて、ノーベル平和賞受賞を…」という妄想を抱きながら臨んだ『米朝首脳会談』ですが、悲劇的にタイミングが悪く、直前の27日にトランプ大統領一族の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告が下院監視・政府改革委員会で証言したことが大きく報道され、『米朝首脳会談ネタ』など世間の関心から全く離れてしまいました。
アメリカのマスコミ報道では2月27日(現地時間)、トランプ大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告が下院監視・政府改革委員会で証言し、大きな注目を集めていました。
この報道があまりに大きく、「窮地に陥ったトランプ大統領はアドリブで『米朝首脳会談内容』の成果ハードルを大きく跳ね上げ、自分のスキャンダルをかき消せるほどの成果を狙ったのだ」といわれています。
その代償として市場心理には、『トランプ外交への絶対的不信感』が植え付けられました。
自らのスキャンダル報道を何とかしたいと足掻くあまりに『米朝交渉をアドリブで蹴った』トランプ大統領は、今後の『米中貿易交渉』でも同じことをしでかすかもしれない。
つまり、『米中交渉の進展期待』を柱に上昇していた「2月下旬の株価上昇要因」に対する信頼が失われてしまったことが、3月になってからの株価下落への大きな要因となってしまったのです。
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コーエン被告の証言の主なポイント
5月6日に収監予定のコーエン被告は、『脱税、詐欺、選挙資金法違反、連邦議会での偽証など』複数の罪で有罪となる前は、トランプ大統領の側近の1人でした。
2017年に大統領の顧問弁護士になる前は、10年以上にわたってトランプ一族が経営する『トランプ・オーガニゼーション』の代理人を務めており、一族の内部事情を最もよく知る人物とされています。
コーエン被告は27日の公聴会で、トランプ大統領を守るために嘘をつき、捜査をミスリードしてきたと発言。
その上で「わたしはもうトランプ氏を庇っていない」と述べ、大統領とのやりとりの詳細を明らかにしたのです。
- コーエン被告は、ニューヨーク州南部地区連邦検事局がトランプ大統領に関するまだ明らかになっていない「不正行為もしくは違法行為」を捜査していると述べた。
- コーエン被告は、2017年に自身が連邦議会でした証言は、トランプ大統領の顧問弁護士ジェイ・セクロウ氏と、大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏の顧問弁護士アビー・ローウェル氏が手を加えたものだったと述べた。
ロバート・ミュラー特別検察官は2018年、コーエン氏が議会に対して虚偽の証言をしたとして、同氏を偽証罪で起訴しています。
- コーエン被告は、2016年の大統領選で勝つために、「トランプ候補がロシアと手を組んだことはあり得る」との考えを示した。「トランプ氏にとって、勝つことが全て」で「勝つために必要なことならやるだろう」と述べた。
- コーエン被告は、トランプ一家が選挙キャンペーン中、ロシアに「譲歩」した可能性があると述べた。
当時はトランプ一家はモスクワにトランプタワーを建設しようとしていたタイミング、『北方領土問題で安倍首相を手玉に取ったのしたたかな外交戦略を備え持つプーチン大統領』からすると、トランプ氏(大統領就任前)とのパイプを築くのには絶好の機会だったことでしょう。
- コーエン被告は、トランプ大統領が息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏を含む自身の選挙担当者とヒラリー・クリントン候補(当時)の選挙キャンペーンの足を引っ張ろうとするロシアの複数のロビイストが、2016年6月にトランプタワーで会っていたことを事前に知っていたと述べた。
コーエン被告は2016年6月上旬、トランプ氏と一緒にいた部屋にトランプ・ジュニア氏が入って来て、トランプ氏に「ミーティングはうまく行った」と言い、トランプ氏が「OK、よかった……また聞かせてくれ」と答えたのを覚えていると語った。
- コーエン被告は、内部告発サイト「ウィキリークス」がクリントン候補の膨大な量のEメールを暴露する計画をトランプ氏が事前に把握していたと述べた。
これは2016年の民主党全国大会を数日後に控えたタイミングに合わせて暴露され、クリントン候補の選挙活動に致命的打撃を与えました。
- コーエン被告は、『トランプ・オーガニゼーション』の財務責任者を長年務めるアレン・ワイセルバーグ氏が大統領選の直前、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズさんへの違法な口止め料の支払いに、トランプ氏が直接関与したことを目撃していると述べた。
コーエン被告は、トランプ氏が「我々にワイセルバーグ氏のオフィスへ行き、これ(ダニエルズさんへの13万ドル)をどうにかしろと指示した」とき、自身とワイセルバーグ氏は2人ともトランプ氏のオフィスにいたという。
- コーエン被告は、ワイセルバーグ氏とトランプ・ジュニア氏が「金融詐欺」で共謀したのではないかとほのめかした。
コーエン被告は、彼らの行為がニューヨーク州南部地区連邦検事局の捜査対象になっているかどうかについては、コメントを避けています。
ここまでスキャンダラスというか、人格最低っぽい人物がアメリカ大統領という、『核ボタンまで持たせる絶対権力者』になっている現在って…21世紀はまだファーストクウォーター(2025年)にも届いていませんが、2019年にしてすでに世も末ですかね。
法律の専門家は、「コーエン被告の証言はトランプ大統領や大統領の家族を含む側近にとって、その地位を脅かすものになるだろう」との見方も示しています…大統領逮捕とかってなると「まるで韓国みたいな感じ…」ですね。
『米朝首脳会談』を潰し日本の安全保障に貢献してくれたのは、「実はトランプ大統領ではなく、コーエン被告」だったのかもしれません。
(この一連の騒ぎがなかったら危なかった…)
いずれにしても、3月の株価下落局面を招いた責任者は『米朝交渉を蹴ったトランプ大統領』なのです。
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