昨日5日、中国の第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第2回会議が、北京の人民大会堂で開幕しました。
李克強(リー・クォーチャン)首相は所信表明にあたる政府活動報告で、2019年の経済成長率の目標を「6~6.5%」にすると表明し、18年の「6.5%前後」から2年ぶりに下げています(虚勢を張りがちな中国政府ですが、ここで大口をたたくと妄想としか思えませんからね)。
3月の『米中首脳会談』に向けた配慮と景気刺激策
『米国との貿易戦争』と『中国発世界経済失速懸念』を踏まえ、財政支出の拡大を柱にした大規模な景気対策を打ち出しました。
中国の18年の実質国内総生産(GDP)成長率は6.6%と28年ぶりの低水準、貿易戦争などで景気の先行きに不透明感が強まっており、19年も減速が避けられないとされています。
専門家の間では2019年のGDP成長率を6.2%程度とみており、今回提示される「中国経済対策で大幅な失速を回避できるか」が今後の世界経済成長率に大きな影響を与えるでしょう。
李首相は経済対策に関して「積極的な財政政策は力を強め効率を上げる必要がある」と強調した。
企業の税負担と社会保険料の負担を2兆元(約33兆円)弱軽減増値税(付加価値税)の税率を
- 製造業などは現行の16%から13%に
- 建設業などを10%から9%に
それぞれ引き下げるもよう。
都市部の新規雇用の目標は1100万人以上と18年から据え置き。
地方のインフラ建設も増やし景気対策をうながすもの。
- 地方政府がインフラ建設にあてる債券の発行枠を18年から8千億元増やして2兆1500億元とする
- 鉄道投資は18年当初比9%増の8千億元、道路・水運投資は横ばいの1兆8千億元とする目標を明記
また、金融政策を緩和的に運営し、企業の資金繰りを補助する方針も示し「穏健な金融政策は緩和と引き締めを適度なものにする」とのこと。
金融リスクに配慮しつつ、さまざまな金融政策手段を柔軟に活用して、中小・零細企業に資金が行き渡るようにする(大企業=賄賂とかで成長というイメージの国だけに、中小・零細の成長に便宜が図られるのか心配です)。
米国との貿易摩擦をめぐっては「穏当に対応した」と振り返っています(穏当というか、問題先送り)。ただ、最近の報道では3月に米中貿易協議を行う予定があるとされており、『首脳交渉で手打ち』ともささやかれています…
「貿易協議を引き続き進展させる」と語り「約束したことは真摯に履行する」と強調しました。
米中交渉の肝になっている、『技術・知的財産』の問題に配慮したようですが、昨年の全国人民代表大会で言及していたハイテク産業の育成策『中国製造2025』はあっさり消えてしまいました。
全国人民代表大会では『外国企業が持つ技術の中国への強制移転を禁じる外商投資法を成立させる方針』とのことですが…そんな『クリーンな経営』でこれまでの中国企業成長が維持できるのか…
中国企業の成長は「グレーゾーンを踏み越えることで成り立っていた」ところがありますから、心配ですね。
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