お世話になっております。
 タヌキです。

 株式市場では次回米連邦準備制度理事会(FRB)での12月18、19日の会合で「今年4回目の利上げを決めるであろうことがほぼ確定視」され、株価に盛り込まれようとしています。
 来年も数回に分けて少しずつ引き上げられる見込みです。
 2020年中は利上げ打ち止めが予想されていますが、それまでの間はFRB会合のたびに『金利上昇の有る無し』に株式市場は一喜一憂する流れが続きます。

 なぜ債券市場ではなく、株式市場がここまで金利の上下に振り回されるのか、理由を整理しておきたいと思います。
 「今更こんな基本的な事を…」というところもあるかもしれませんが、お付き合いください。


金利が上がると株価はどう動く?


 中央銀行が金利を上昇させる目的は、『過熱した景気を冷まし、過度のインフレやバブルを防ぐ』ことにあります(銀行を儲けさせたいからではないはず…)。
 米国FRBは「金利低下」から「金利上昇」へ舵を切ったわけですが、米国経済の長期的な強さを背景にした自信の表れとも解釈できます。

 金利が上昇する環境下であっても、継続的に景気が良ければ、金利水準が上昇しつつも、企業の資金調達ニーズの高まりは続き、企業業績向上への期待が高まります。
 中央銀行が上手く金利をコントロールできれば、下図のような流れで、バブル崩壊を予防しつつ、金利上昇と株価上昇が同時に起こりえます。

20181111_良い例
図1 株式投資家にとって理想的な金利上昇

 しかし大雑把な考えで金利上昇に踏み切ってしまえば、
企業は資金調達(借入れ)コストが上昇する為、設備投資の縮小を行います。
 設備投資の縮小はそのまま雇用率の低下につながり、雇用不安定な状況の中では個人消費にも冷え込みが生じてきます。
 住宅ローン金利も上昇することから、住宅購入など
(家具家電に至るまで)大きな消費が見送られることも考えられ、企業業績低迷への不安がますます高まります。

 投資対象としての魅力は「リスクを伴う株式」から「安定した債券」に移り、投資マネーは株式市場から債権市場へ移動してしまい、下図のように株価暴落を招く恐れがあります。

20181111_悪い例
図2 金利上昇のさじ加減を間違えると





日本の金利政策はどうなる?


 日本で1990年代に起こった『バブル崩壊』世界的にも悪い教科書として学習され、各国の中央銀行は金利と景気の具合には格段の注意を払っています。
 現在日本では『異次元緩和』や『5頭のクジラによる株式相場の買い支え』など、
『アベノミクス』と称する株価対策を最重要事項としての金融政策を推し進めてきました。
(おかげさまで、『億り人』なる人種も大量に発生したわけですが…タヌキは乗り遅れましたね)

 日本も含めた多くの中央銀行は景気刺激の特効薬として『金利を下げるのは簡単だが戻すのは難しい』という『金融緩和』という名の合法ドラックに手を染めてしまいました。
 アメリカの出口戦略(金利上昇)が上手くいくのか、日本でも再現できるのか興味深いところです。

 しかし、
『5頭のクジラによる株式相場の買い支え』というあれほどの規模でETF(株式)を所有してしまうと、売却も出来ない(自縄自縛)で身動きできません。ましてや日本株暴落になれば「今までは含み益」があると報告されていたものが一気に「含み損」化して『大口機関凍死家』への道をまっしぐらです。

(日銀や各年金組合が所有した株式の配当だけで、財政や年金が賄えるような経済環境を創造できるなら素晴らしいと言えるのですが…)

  ※投資判断は自己判断自己責任です。

 ではタヌキは巣穴に戻ります。
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