12月25日のアメリカ市場はクリスマス祝日で休場、日本市場は、先週からの米国株急落やリスク回避の円高などを受けて、日経平均株価が前日比-5.01%、TOPIXが同-4.88%と大幅続落になりました。
株価は崩壊状態です。

1日のうちにここまで、株価下落が起こってしまえば安倍政権も「リーマンショック級の何かが起こらない限り…」と言っていた通り、消費税増税の先送りも考慮されるようになるのかもしれません。

株価下落の戦犯はトランプ大統領の狂った妄想


震源地になっている米国株の急落は、

  1. 米中貿易戦争の激化
  2. 米金融政策に対する不信感
  3. 国境の壁予算の合意ができず米政府機関の一部閉鎖
  4. (トランプ政権内で暴走のブレーキとなっていた)マティス国防相の辞任(実質的な更迭)
など、トランプ大統領の「米国第一」政策に対する警戒感が重石になりました。

米国株の急落が米国(世界)経済の失速懸念を高め、それがさらに株安を招く悪循環の様相になっています。
こうした暴力的な株価急落は、ある面で米政府・金融当局に対して政策転換を促す効果があり、今後、そのような動きが出てくる可能性が高いとみられます。
日本株の先行きを占う場合にも、基本的に米国株の動向が焦点になり、米国経済と金融政策の先行き、そして米中貿易戦争の行方がカギを握るとみられます。


米国の金融政策面では、12月19日のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%の利上げが実施されましたが、2019年の利上げ見通し(ボードメンバーの中央値)に関して9月時点の3回から今回2回に利上げ回数が引き下げられました。
ただし、市場では歓迎とならず、むしろ失望売りを誘いました。

米中貿易戦争が激化するなど、米国および世界経済の先行きに対する不透明感、失速懸念が強まる中で、さらなる利上げに対する警戒感が強まっていることが背景とみられます。


パウエル議長はどう動くか?


パウエル議長の
FOMC後の記者会見では、12月の利上げでFFレートが2.5%になり、FRB(連邦準備制度理事会)が想定する中立金利(景気を過熱も抑制もしないFFレート)水準の下限値に到達したことを強調していました。

これは今後の金融政策を考える上で非常に重要と考えられます。

目指すべき中立金利水準にほぼ到達したとも解釈できますので、利上げ打ち止めがそろそろ近いことを示唆しているように推察されます。

米国株の急落など世界的な株安進行やリスク回避の悪影響は、米国(世界)経済にとって下押し要因になります。

こうした市場の催促に対して、FRBは2019年の早い時期に、一端利上げを休止する、あるいは利上げを打ち止めにするといった方向性を示唆するのではないでしょうか。

次回1月29~30日のFOMCが予定されますが、株価下落のスピードが速い分、その前に(株価下落の歯止めとなるような)重要メッセージが出されるかもしれません。

ここまで株が暴落しているにもかかわらず米国経済は、金利上昇などで住宅関連に減速がみられますが、2018年4Qまで総じて堅調でした。
足元の長期金利の低下基調からすると、名目潜在成長率>長期金利の関係が継続しており、現在の市場環境はトランプ大統領の狂った言動によってパニックを起こしてはいますが落ち着きを取り戻せば、ここまでの株価下落は買い時と感じてくる機関投資家も現れるかもしれません。

インフレ率が安定している中で、上記のようにFRBは2019年前半にも利上げ打ち止めに動く可能性があります。金融政策の転換点が現実になるようですと、長期金利は低位・安定化の動きになり、米国景気の失速リスクが低減するとみられます。

最大の難題、米中貿易戦争


米中貿易戦争は、
12月1日の米中首脳会談で米国が対中輸入品2,000億ドルに対する追加関税引上げ(10%→25%)を90日間猶予することが決まりました。

中国は3月2日までの猶予期間内にトランプ政権の納得する施策を打ち出さなくてはなりません。
できなければ追加関税が引き上げられ、中国経済は大きな打撃を受けます。
それは、中国の夢や中華民族の復興(2035年頃に先進国へ復帰)といった習近平指導部が掲げる長期目標の達成を危うくします。

1月には米中交渉が本格化するとみられますが、おそらく中国政府は農産品や航空機などの輸入促進や市場開放、知財権保護の強化、外国資本の出資制限の段階的撤廃(単独進出業種の拡大)など、トランプ大統領を納得させるための対応策を打ち出すのではないでしょうか。

そしてここまで混乱しているトランプ大統領は、中国から何らかの譲歩があれば「大きな成果」と誇大アピールを行い(一時的にせよ)矛を収めるかもしれません。


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長期的視点で考えれば、ナイフが落ちきったら買い


TOPIXのバリュエーション面を見ると、既に売られすぎを示唆する水準に入っています。
12月25日時点の12ヵ月先予想PER(ファクトセットのアナリストコンセンサス予想)は11倍を下回る10.6倍、実績PBRが1.03倍と、戦後最悪の不況と言われたリーマンショック(2008年9月)の後につけた最低値に接近しています。

振り子が振り切れつつある状況とみられますが、長期的な観点からみますと、株式価値は割安感の強い水準(歴史的な割安ゾーン)に突入していると推察されます。

日本株をはじめ主要国株式市場や、世界経済にとって米中貿易戦争の激化がリスク要因です。

貿易戦争に改善の動きが出てくるのか否か、早晩はっきりするでしょう。出てくれば市場に安心感が広がり、株式市場は底入れ・反転の動きに転じると予想されます。

米中貿易戦争は、単なる貿易問題では無く、技術や軍事面における覇権争いが底流にあり、両国の攻防戦が長期化しそうですので、マーケットにとっては長期的な爆弾となる可能性は否定できません。

米中貿易戦争に絡む悪材料を消化しながら、株式市場(特にAI)はマイナスニュースに対して暴走しないよう耐性力をつけていって欲しいですね。

日本時間2018/12/26 6:00現在


NYダウ  : 休場

NASDAQ  : 休場

S&P500    :休場
VIX恐怖指数:    36.07   ( +19.79%)
 ※危険水準が続き市場先行き不安感はさらに悪化しています

 

為替ドル円 :110.28

上海総合指数:2,504.82   ( -22.19)

 

日経平均先物大証(夜間):19,150.00

※投資判断は自己判断自己責任です。

 ではタヌキは巣穴に戻ります。
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